こんにちは、ゆらなべです。
注文住宅を建てる際に何の疑いもなく当たり前のように契約する住宅ローン。
何千万という大金が必要になるため、借りないという選択肢はないのですが、住宅ローンについて一度はどういうものか考えておこうと思います。
注文住宅と切っても切れない住宅ローンを考える
一口にローンと言っても銀行などのホームページを見てみると下記のようないろいろなローンがあります。
- カードローン
- マイカーローン
- 教育ローン
- リフォームローン
- フリーローン
- 住宅ローン
金利や限度額などバラバラですが比較的金利が低く大きな金額を借りることができる住宅ローンとはなにか、他と比較しながら考えていきます。
資金使途が「住宅の建築や購入」に限定された目的型ローン
住宅ローンはあらかじめお金の使用目的が限定されており、本申し込みの際には何に対していくら払うかを証明する書類が必要となります。
マイカーローン、教育ローン、リフォームローンなども同様に目的型ローンです。
反対にカードローンやフリーローンは目的を指定せずに借りることができます。
ここで注意が必要なのが、「せっかく大きなローンを組むので家と合わせて車も買い替えてまとめてローンを組む」ということができません。
住宅ローンで借りたお金を使って車の購入などを行ってしまうと虚偽の申告と判断されてしまうかもしれません。
即時の全額返済を要求されてしまうかもしれませんので注意しましょう。
また住宅ローンに含まれる場合もありますが、登記費用などの住宅建築・購入費に含まれない諸費用については諸費用ローンが用意されている場合もあります。
私の場合は契約時に支払う金額が諸費用に割り当てられたため自己資金での支払いとなっていますが、私が契約する住宅ローンの商品概要説明書には諸費用も可となっています。
ローンの実行は物件引き渡し時
住宅ローン借り入れの本申し込みは事前に行いますが、申し込みが可決された後、実際に契約するのは物件の引き渡し時です。
契約を行うと返済口座に借入金が振り込まれ、即座に相手先の口座へ振り込まれます。
今回はまだ建築中なので契約まで至っていませんが、前回家を購入した際は銀行に私と相手が同席し、それぞれがいくつかの書類を記載して処理を行いました。
ここでも注意が必要で、借入金が振り込まれるのが物件引き渡し時となることです。
幸いにも今回私は土地所有・先払いの要求なしなので大丈夫でしたが、土地購入費、着手金・中間金など建築費の何割かを先払いとなる場合があり、引渡しの前に必要となる費用の支払いに充てることができません。
自己資金でまかなうか、つなぎ融資などでお金を借りる必要があります。
物件を担保とした有担保ローン
上のほうで登記費用という言葉が出てきましたが、住宅ローンの借り入れを行う際に、物件に対して借入先を抵当権第1位として登記を行います。
ローンの返済ができなくなった場合、物件が売却され返済に充てられます。
このため、注文住宅では心配ありませんが、他で抵当権が設定されていると住宅ローンが組めない場合があります。
連帯保証について
昔であれば住宅ローン契約書に連帯保証人の記載が必要で、前回は近くに住んでいる伯父のところにお願いに行きましたが、最近は不要であるようです。
連帯保証人の代わりに保証会社が連帯保証を請け負います。
私が契約するところは保証料不要ですが、保証料前払いか金利上乗せでの支払いとなる場合もあります。
また、保証会社が連帯保証を請け負うにあたり、団体信用生命保険(団信と略す場合が多い)への加入が要求される場合が多いです。
健康な人で特約をつけなければ特に影響ありませんが、ガンや三大疾病、生活習慣病などの特約を付ける場合、または健康に問題がある場合には金利を上乗せして団信に加入となる場合もあります。
それぞれ年齢制限もあったりしますので注意が必要です。
返済方法について
返済方法は「元利均等返済」と「元金均等返済」がありますが、「元利均等返済」しかできないところも多いため、詳しい話は別の機会にしたいと思います。
元利均等返済
毎月返済額の「元金+利息」を一定とする返済方法です。
利息は借入金の残額をもとに計算されるために最初が最も多く徐々に減っていきます。
このため、元金の返済は逆に最初が最も少なく徐々に増えていきます。
元金均等返済
毎月返済額の「元金」を一定とする返済方法です。
元金が一定であるため借入金を返済回数で割った金額+利息が毎月返済額となります。
元金の返済額が「元利均等返済」よりも多いため、支払う利息の総額が少ないのが特徴です。(おおよそ数十万くらいの差)
しかし注意が必要で、初回の返済額で数万の差が出る場合があります。
一番支出が多い時期に一番負担が大きくなることを意識しておく必要があります。
金利タイプについて
住宅ローンの契約において、どのような金利タイプにするかも重要な決定事項です。
次のような金利タイプがあります。
- 変動金利型
- 固定金利型
- 金利選択型
変動金利型
名前の通り金利が変動する金利タイプです。
特徴としては下記があります。
- 固定金利よりも金利が低い。
- 金利は4月と10月の年2回見直しが行われる。
- 短期プライムレートをもとに金利が決定され、ここ10年くらい変動がない。
- おそらく今より金利が下がることはないが上がる可能性はある。
- 元利均等返済でも5年に1度返済額が見直される。
少しだけ補足です。
元利均等返済と呼ばれる毎月返済額が固定の返済を行っている場合、もし金利が高騰した際に返済額のうちの利息が占める割合も上がり、毎月返済しているのに元金部分の返済が全然進まない、という事態を防ぐために返済額が見直されます。
一気に返済額が跳ね上がることはないですが、微増するかもという意識はしておいても良いかもしれません。
また一気に返済額が跳ね上がらないように「返済額見直しは従来額の1.25倍まで」というルールがあり、このルールをもって返済額が1.25倍になる可能性がある(2回発生すれば1.25*1.25=1.5625倍になる)とか、元金が返済しきれずに最終返済額がとんでもない額になってしまうという話が時々ありますが、あまり意識する必要はないかと思います。(ある程度の変動はあるでしょうが)
急激な上昇を抑える目的の上限設定をもってそれだけ増える可能性があると不安をあおるのは本末転倒であるし、上限が原因の元金未払いが発生するのは5年の間に3%に近い金利上昇が必要です。
固定金利型
名前の通り金利が固定の金利タイプです。
ほとんどの場合「フラット35」と呼ばれる住宅金融支援機構が取り扱い、銀行などが窓口を行っている半官半民みたいなローンです。
変動金利型よりも金利が高いが、金利上昇のリスクがないのが特徴です。
金利選択型
3年固定、5年固定、10年固定といった一定期間固定の金利タイプで、名前が紛らわしいですが変動金利型の一種です。
固定期間終了後に再度金利タイプを選択するのが特徴です。
固定金利よりも金利が低く、一定期間の間は金利上昇のリスクがないですが、選択時の金利は当初金利よりも優遇率が低いので注意が必要です。
当初の変動金利が0.6%だったとして、5年後に変動金利を選択した際は1.1%とかになることもあります。
金利の決定について
一口に金利と言ってもいくつかの言葉が出てきます。
- 政策金利
- 基準金利(店頭表示金利)
- 優遇金利(優遇利率)
- 適用金利
政策金利
日本銀行が一般の銀行に融資する際の金利です。
金融政策によって変動し、不景気の時には低く、好景気の時には高く設定されます。
この金利変動は一般銀行の預貯金やローンの金利に影響を与えます。
住宅ローンを考えるうえであまり政策金利を意識することはない気がしますが、変動金利型の基準となる短期プライムレートがこの政策金利の変動で変化するため、景気の変動と金融政策が影響を及ぼすことを、これから長い期間かけてローンの併催をする上では意識しておくとよいかもしれません。
基準金利(店頭表示金利)
ホームページなどで表示されている金利です。
よく括弧書きや小さい文字で書かれていることが多く、ときには最初のページには書かれず別のページで書かれていることもあります。
最初借りる段階でこの金利のまま適用されることはなく、次に説明する優遇金利を差し引いた金利が適用されます。
多くの銀行の変動金利型の基準金利が「2.45%」となっており、これは政策金利をもとに各銀行が決めた短期プライムレートの最安値が「1.45%」でこれが最頻値となっており、+1%した値となっているからです。(私が契約するところはもう少し高いですが・・・。)
参考:日本銀行のホームページの長・短期プライムレート(主要行)の推移表
優遇金利(優遇利率)
変動金利型で最も重要視すべきなのがこの優遇金利です。
基準金利からどれくらい差し引いた金利を適用するかを表す金利で、契約時にこの優遇金利を取り決め、ずっと変わりません。
ホームページに表示されている金利並みに、もしくはそれ以上に優遇されるためにはさまざまな条件があり、対象の銀行を給与振込口座にしたり、クレジットカードを契約したり、現在契約しているローンをすべて完済したりといろいろ大変です。
これまでの実績なども関係するので、銀行選びの際には、自分のメインバンクが施工会社と取引あれば、メインバンクの住宅ローンをメインに考えるのが楽で案外一番優遇金利が良かったりするかもしれません。
毎月の返済が滞ることを「延滞」と呼びますが、延滞が続く場合、この優遇金利がなくなる場合があります。
ただでさえ返済ができていないのに金利が一気に跳ね上がるためローンの返済は何があっても死守する必要があります。
とはいえ現状の新型コロナウィルス流行の状況など、銀行に相談することで延滞ではない扱いにしてくれる場合がありますのでどうしてもという場合はまず銀行に相談しましょう。
適用金利
実際に返済時に適用される金利で下記で決まります。
適用金利 = 基準金利 - 優遇金利
変動金利型の場合、基準金利が年2回(4月、10月)見直されるため適用金利が変動しますが、短期プライムレートの変動が10年くらいないため、名ばかりの変動金利と言えなくもない状況です。
現状では変動金利型がよく勧められる状況ですが、実際に変動金利型で契約する場合は今後の動向を注視する必要があります。
まとめ
長々と説明してきましたが長い付き合いとなるのでどういうものか一度は考えてみるのもいいでしょう。
その中で下記の点は意識しておく必要があります。
借りる前の注意点
- 実際にお金が振り込まれるのは物件引き渡し後、先行して支出が必要な場合についても検討をすること。
- 住宅ローンは使用目的が決まっているため、他の出費の予定がある場合は資金計画に注意が必要。(他の費用も建築費に混ぜてくれるという会社には特に注意)
- 返済方法や金利タイプにはそれぞれ特徴があるので十分な検討が必要。
借りた後の注意点
- 変動金利の場合は景気の変動、短期プライプレートの変動に注意
- 住宅ローンの返済は何があっても死守すること。
- どうしても返済が難しい場合はきちんと借りている金融機関に相談をすること。
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